頂き物

こんばんは。
重度のめんどくさがりなのでブログにはほとんど手を出してません。
最近は採集にもあまり行けず知人からの頂き物のサンプルを標本にする日々です。本当助かります。感謝しかないです。

スベトゲガンガゼ Lissodiadema lorioli Mortensen, 1903 
沖縄の大学に通っておられる同級生の方から頂きました。
 前まで幻の存在だったのですが去年から目撃情報が相次ぎ遂に私の手元に。
 噂通り髪の様に細い棘を見られて感激です。棘はかなり柔軟性が高く水中だと圧をかけるとグネンと大きく湾曲します。
 また殻もだいぶ薄く和紙の様に薄いです。一体何のためにこんな進化をしたのか…不思議です。
 水中で目撃された方は黄金の棘を水流になびかせていると。こんな美しいウニがいるんですね…。本当ウニの多様性にはいつも驚かされます。
 
 裸殻標本作成はまず解凍後に素手で棘を毟ります。解凍後は靭帯が緩むのかかなり毟りやすいです。棘は刺さりますが細いせいかあまり痛みは無いです。
 その後柔らかい歯ブラシを使い優しく殻を擦ります。そうすると微小棘や軟部組織が落ちます。一通り落とし終わったら次は殻の内部を。
 まず周口膜を切り口器を取り出します。口器は周口膜も除去し薄い(20%ほどの)次亜塩素酸ナトリウムに漬けます。バラバラになる前にある程度余分な軟部組織を除去したら取り出し乾燥させます。
 内臓は今回ピペットを使い除去しました。粗方除去したらピンセットを使って残った内臓を除去します。
 殻がかなり薄いので漂白剤には漬けずに乾燥させます。ああ、疲れた。神経がすり減りました。
ミナミタワシウニ Echinostrephus molaris (Blainville, 1825)
タワシウニのシノニムなのでは?となっていたこの子。ウニハンドブックにてハッキリしました。分類は本当まだまだ分かませんね…。
 タワシウニと違い棘の先端が白くならないのが特徴だそうで。あと孔対数も違うそうです。あと個人的にタワシウニに比べ頂上系がピンクっぽいかなと。比較している標本の体サイズが同じでは無いのでなんとも言えませんが…。

 裸殻標本作成は基本的に50%ほどの次亜塩素酸ナトリウムで棘、軟部組織などを落とします。タワシウニ類は比較的頂上系がしっかりしてるのか溶液の濃度高め、また長時間漬けても脱落しませんね。
 かなり小さな個体ですが無事欠損もなく完成しました。

今回はこの2種で終わりに。他にも同じ荷物に2種ほど入っていましたがまだ冷凍庫で眠っているのでまたいつか。終わり。

ウニ好き学生の日記

ウニについて研究したい学生。オホーツク海を拠点に日本各地へウニを探しに行きます。

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